コロナ感染症対策融資の据え置き期間の終わりに伴い、資金対策についてのご相談が増えております。
資金調達を検討するうえで欠かせないのが金融機関・銀行からの融資です。
銀行から借入をする際に通常であれば「信用保証協会保証付融資」と「プロパー融資」の2択になります。
ですが「そもそも信用保証協会って何?」と内容や特徴を理解をしないまま融資を受けている方が少なくありません。
今回はその信用保証協会について解説していきます。
●信用保証協会とは
信用保証協会とは金融機関からの借入を保証するものであり、事業者が借入を返済できなくなった時に信用保証協会が代わりに金融機関に借入金の残額を弁済する公的保証機関です。
金融機関からお金を借りようと思っても、事業を始めたばかりで実績がない場合や、事業実績はあっても業績が低調で、担保もない場合など、なかなか金融機関は融資対応しづらいものです。
そんな時、信用保証協会の保証を付けたならば、強力な保証人を得たのと同じ効果があるため、金融機関から融資が受けやすくなるのです。
信用保証協会の保証制度を活用して金融機関から融資を受けることを「信用保証協会保証付融資」といいます。
それに対して、信用保証協会の保証制度を活用せず金融機関が直接自身の責任100%で実行する融資のことを「プロパー融資」といいます。
●信用保証協会を利用するメリット
・様々な保証制度があり、用途に合わせて利用できる
・取引金融機関のプロパー融資と信用保証協会の保証付融資の併用で融資枠の拡大も図ることができる
実情として、小規模事業者などが初めて金融機関に融資の依頼をした場合に、最初からプロパー融資では貸してくれないということが多いです。
最初は信用保証協会の保証付融資を受けて、返済実績を作り、金融機関との信頼関係を作ってからでないとプロパー融資を受けられないということがあります。
中小企業・小規模事業者の融資の入り口としても、信用保証協会が利用される場合が多いです。
●信用保証協会を利用するデメリット
・信用保証料がかかる
・プロパー融資に比べて提出する申込書類が多く、手続きも煩雑で審査期間も長い
信用保証協会の保証付融資の一番のデメリットが、信用保証料がかかることです。信用保証料率については保証制度の種類や会社ごとの財務内容・業績等によって違います。
●信用保証協会を利用する際の流れ
① 保証申込
信用保証の代表的な申込窓口は、「金融機関」と「信用保証協会」です。そのほか、地方自治体や商工会議所等でも受付を行っているケースもありますが、基本的には取引金融機関に申込するケースがほとんどです。
② 保証審査
申込が受け付けられると、信用保証協会において保証審査を行います。審査過程において、新規の場合は訪問、面談があります。
③ 保証承諾
審査の結果、保証承諾となった場合は金融機関に対して「信用保証書」が発行されます。(※保証書の有効期限は1か月です。)
④ 融資実行
「信用保証書」に記載された条件に沿って、金融機関から融資が実行されます。その際に所定の「信用保証料」を金融機関経由で支払います。
●銀行との取引開始のきっかけは保証協会付融資で
保証協会付き融資は、金融機関との取引のきっかけとして利用されることが多くあります。
金利以外に保証料もかかるので負担が重いと思われますが、利用の仕方によってはプロパー融資よりも安く済む場合もあります。
それは、市や区の制度融資を利用する場合です。
市や区の制度は、その行政機関によって内容は異なります。
地域によっては、保証料を負担してくれたり、金利も負担してくれる商品があります。
詳細は管轄の行政機関のホームページ等に載っていますので確認してみてください。
(参考)米子市の制度融資
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